活動報告

WEFとの共催で「循環経済ラウンドテーブル会議」を開催しました

先週3月2日-3日の二日間で、世界経済フォーラム(WEF)との共催で「循環経済ラウンドテーブル会議」を開催しました。
循環経済とは、海外ではサーキューラー・エコノミーと言われるもので、従来の大量生産、大量消費が大量廃棄につながる線形(=リニア、意味は生産や消費量とが廃棄量に比例して増えること)経済に対し、資源を捨てずに、再利用し、ものが循環するような経済を意味します。私はシンプルに「捨てない経済」と言っています。
大量生産や消費には、同時に大量の温室効果ガスの発生が伴うため、カーボンニュートラルを目指す上では、従来のようなリニア・エコノミーから、サーキュラー・エコノミーへの転換が不可欠です。

私は、昨年より新型コロナウィルス感染症、気候変動の二つの危機には、経済社会のリデザイン(再設計)が必要であり、脱炭素社会、循環経済(=サーキュー・エコノミー)、自立分散型社会への転換が必要だと訴えてきています。
今回の「循環経済ラウンドテーブル会議」についても、このような問題意識の中、WEFとの共催を大臣就任後より企画し、実現にこぎつけました。私は初日のオープンニングセッションに、参加しました。

パネリスト:
オランダ フェルトホーフェン環境大臣
経団連 杉森務副会長・環境安全委員長
東大グローバル・コモンズ・センター 石井菜穂子ダイレクター
三菱ケミカル 和賀昌之社長

モデレーター:
世界経済フォーラム ブレンデ総裁、江田麻季子日本代表

私からは、循環経済への移行を実現させるためにポイントとなる、三点について話しをしました。一つは今国会に提出予定のプラスチック資源循環に関する法案のこと、次に金融の観点から、循環経済の実現を加速させること、最後に経団連との「循環経済パートナーシップ」を立ち上げたこと。
詳しくはこちらをご覧ください。

オランダは2030年までの資源利用を半減、2050年までに循環経済への完全移行を宣言している、循環経済先進国です。
フェルトホーフェン環境大臣からは、政府が循環経済を促進するように、公共購買の力を活用し促進。繊維・プラスチック・食・設備等に関する行動枠組みを作成し、アクションに繋がるようにリード。プラスチックに関しては、民間とも連携し、削減目標を掲げ努力をしているとのことです。

日本では以前より3Rと言われるリデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)が浸透し、もったいない精神が人々の考えや行動に影響を与えています。例えば、トヨタ自動車のGlobal Car-to-Car Recycle Project(グローバル・カー・トゥ・カー・リサイクル・プロジェクト)では、徹底的な3R推進と再生材の使いこなしを行っています。(トヨタ自動車 クルリサ
またユニクロでは、自社のダウンを回収し、100%リサイクルダウン&フェザーを使用した、ダウンジャケットの販売を行っています。

脱炭素社会の実現には循環経済への転換は必須です。そして経済活動のほとんどが世界全体に連携している現代は、世界全体の協調が必要です。
オランダの環境大臣からは、4月開催予定の気候変動と循環経済の会合へ招待を受けました。今後も様々な機会を通じて、循環経済についての日本の強みや特色を国際社会に発信していきます。