活動報告

「環境の日」のメッセージ

6月は環境月間、6月5日は「環境の日」です。「環境の日」の記者会見では、以下のようなメッセージを発信しました。このメッセージを通じ、コロナ後の「環境問題」に向き合い、地産地消や防災について考えて、みなさんの新たな行動に繋がれば嬉しいです。

(記者会見の内容を要約)
本日6月5日は「環境の日」ということで、「地産地消」をキーワードに、私の思いを一言申し上げます。「環境の日」は、1972年6月5日からストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して、国連において世界環境デーとして定められたもの。日本では、環境基本法によって「環境の日」と定められています。例年はこの時期には、エコライフフェアなどの環境イベントや、公害健康被害者の方々との意見交換を通じて、環境保全への思いを新たにしますが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、軒並み延期となっています。

私は、コロナ後の経済復興に関して、環境を置き去りにして経済復興の道はなく、経済社会をより持続可能でレジリエント(強靭)なものへと変革していく再設計(Redesign)が不可欠ということを常に申し上げています。一人一人が取り組める「リデザイン」とは何だろうか?このことを考えていくと、先月22日の「国際生物多様性の日」のメッセージでも強調したように、「地産地消」という考えにたどり着きました。

「地産地消」という言葉からは、地場の農産品の消費というだけの印象を持たれるかもしれないし、産品の輸送に伴うCO2排出の削減に着目する場合もありますが、私はもう少し広くとらえていて、生産者と消費者が「顔の見える関係性」を作っていくこと、自分が住んでいる地域や、縁の深い地域との関係を見つめ直すことが「地産地消」という4文字に込められていると理解しています。

また「地産地消」は、強いコミュニティを作っていくための一つのカギでもあります。最近、私自身も、地元で採れた旬の野菜を取り寄せていますが、こうした行動を通じて、地域の人々とその生業(なりわい)、そして、その基盤となる環境を見つめ直し、大切に思う気持ちを育むことにつながると感じています。こうした積み重ねが、魅力的で活力あふれる強い地域コミュニティを作っていくだろうとも思います。

この「強い地域コミュニティ」というのは、「防災」にもつながっています。先日開催した、「気候変動×防災」の意見交換会の中で、涌井先生は、防災の大切な視点として「コミュニティの強化」ということをおっしゃっていました。また長野県の阿部知事からは、2014年の白馬村での地震で、住民同士の助け合いにより、死者が一人も出なかったことを「白馬の奇跡」と語られ、日ごろからの助け合いが当たり前になっている地域住民にとっては奇跡ではなく当然のことだった、というエピソードが語られました。

地産地消は、強い地域コミュニティを作ることを通じて防災の分野まで貢献するもので、一人一人が具体的に取り組むことができる「リデザイン」であり、コロナ後のニューノーマルの一つのあり方ともいえます。環境の日をきっかけに、国民の皆さん一人一人にも、命と健康をはぐくむ環境を将来にわたり守っていくことについて、じっくり考える時間を持っていただけたらと思います。

前に述べた「『気候変動×防災』に関する意見交換会」では、阿部知事から、昨年の台風被害を受けて、気候非常事態宣言とゼロカーボン宣言を出されたこと、さらにこの4月に、再生可能エネルギーの生産量を3倍以上にすることなどを柱とする気候危機突破方針を策定され、気候変動対策と経済成長を両立させながら進めていく旨の方針を紹介いただきました。

また、6月4日の全国知事会議においては、長野県が主導して「ゼロカーボン社会構築推進PT(プロジェクトチーム)」を設けることが決まったと聞いています。昨年来、ゼロカーボンシティの拡大を呼びかけてきた私としては大変心強い動きであると感じています。今後、全国の知事の皆さんと連携しながら、地域の脱炭素化と防災の取組を後押ししていきます。

さらに、6月30日には、内閣府や国連防災機関と共同で、「気候変動×防災」に関する国際シンポジウムを開催する予定です。このシンポジウムに合わせて、これまで3回に渡る意見交換会を踏まえた、武田大臣との共同メッセージを皆さんにお伝えできるよう、今準備しています。その上で、共同メッセージに盛り込む方向性を今後の具体的施策に反映させていき、より実効的なものにしていきます。

最後に、今後も、経済社会をより持続可能で強靭(レジリエント)なものへと変革していく経済社会の再設計(Redesign)が不可欠との認識に立って、「地産地消」の取組、「気候変動×防災」の取組を一歩一歩前進させていきます。