活動報告

オーストラリア訪問振り返り1 「ボーエン気候変動・エネルギー大臣」

オーストラリア訪問から戻りました。いくつかのパートに分けて、私が訪問中感じたことをお伝えしたいと思います。

今年政権交代があったオーストラリアで気候変動・エネルギー大臣に就任したのがボーエン大臣。前政権では気候変動大臣という役職がありませんでした。財務大臣という要職を経験したことのあるボーエン大臣が気候変動担当大臣をやりたかった理由は何かと質問したら、次世代にとって最重要だからやりたかったという明確な答えでした。

私は菅政権で、日本では初めての環境大臣・気候変動担当でしたが、当時のオーストラリアの気候変動政策はより慎重でした。それが、新政権になり、温室効果ガスの削減目標を一気に引き上げ、法制化に動き、新たな大臣職を創設し、二大政党以外でも気候変動政策を看板政策に掲げて既存政党の政治家を負かす新たな政治家が出てきて(今回別の日に面会したゾーイ・ダニエル議員もその一人)、オーストラリア政治が大きく動いていることを改めて感じました(この一年でこれだけの変化が起きたわけです)。

また、街中や空港など、多くの場所で環境に配慮した取り組みや企業の広告などが目に入ってきました。オーストラリア経済界とのランチでもボーエン大臣との会話でも分かったことは、オーストラリアは気候変動対策を加速させることに政治と経済界の攻防があまりなく、むしろ経済界は気候変動政策の加速を待っていたということでした。前に進むしかないのに、明確な方向性が打ち出されないことの方が経済界にとってはビジネス上もよくないというコメントもありました。もちろん、新たな環境になれば新たな課題もあるわけですが、オーストラリアの変化を肌で感じることができて、日本の政策も更なる加速が不可欠だと痛感しました。

ボーエン大臣は日本に来たことがないとのことだったので、次回は日本でお会いできることを楽しみにしています。環境省や経産省にはボーエン大臣を日本に招待してもらいたいですね。