活動報告

新宿御苑「ナッジ」を活用した行列防止策

環境省が管理する「新宿御苑」(東京都新宿区)では、桜の花が咲き始めました。
新型コロナウイルス感染症の影響で、休校や大規模イベントの自粛など、日々様々な形で国民の皆さんにご協力いただく中、屋外の新宿御苑については、感染拡大リスクの低い憩いの場として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策を講じた上で開園継続という判断をしました。

桜の時期には一日あたり最大で約7万人来場がある新宿御苑での、入場時の行列や大勢の人が密集することによる感染リスクを下げるため、環境省の地球環境局で「ナッジ」を担当するメンバーの提案により、テープを貼ることで行列の集中が起きないように準備をしました。
「ナッジ」とは、英語の「nudge」のそっと後押しするという意味で行動科学の知見を活用して、人々が選択し、意思決定する環境をデザインし、それにより行動をデザインすることで、「人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けする政策手法」のことです。元々の施策を補完してその実効性・効率性を高めることに用いられるもので、私は以前自民党の厚生労働部会長だった時に、「ねんきん定期便」のデザインを改修する際にも、ナッジを活用しました。
新型コロナウイルス対策におけるナッジの活用例では、京都の宇治市が手指消毒促進を目的に、消毒用アルコールの存在に気づいてもらうためにテープを貼ったところ、10%の利用増加となり、テープを貼るだけでも人々の行動変容を生み出すことが証明されています。

三連休の初日の今日は「新宿御苑」で入場の混雑は回避することができたと報告を受けました。
明日以降も状況を見ながら、感染拡大防止のより良い対応を取りながら、開園を継続する予定です(混雑状況によっては入場制限をすることもありますのでご理解ください)。

新型コロナウイルス感染症はまだまだ予断を許さない状況です。換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面を避け、一方でマメな手洗い、湿度を保つ、体調が悪い場合には外出をしないなど、引き続き感染症拡大防止に協力をお願いします。

新宿御苑 新型コロナウイルス感染拡大防止の取組について