活動報告

2020年 年頭の訓示を行いました。

2020年、仕事始めから二日目の今日、環境省で年頭の訓示を行いました。

今回は環境省の会議室から、省内の各部署にあるテレビ、各地方事務所のテレビ会議システムと接続をして、ネット経由で行いました。

これも一つの働き方改革。時間や空間を最大限有効活用するにはどうするべきか、今年も様々なチャレンジしていきたいと思います。


 

訓示全文:
環境省本省の皆さん、全国12の地方事務所の皆さん、内閣府原子力防災の皆さん、新年あけましておめでとうございます。(地方事務所への呼びかけ)

今年のテーマは水俣、福島、京都、パリ。この4つの地名には、環境省と日本にとっての永遠のテーマが凝縮されていると思う。水俣や福島の教訓を決して忘れずに、それを礎として環境省の「選択と集中」を進め、そして実行する年に一緒にしていこう。

今年は環境庁が発足して50年目、環境省が発足して20年目、そして東日本大震災から10年目を翌年に控えて、さらにパリ協定が実施される節目の年。環境庁が環境省に変わり、時代が移ろうとも、忘れてはいけないことが水俣と福島にある。これまでの環境行政を切り開いてくれた先人たちに敬意と感謝を表するとともに、この節目を超えて、これからの環境省がどうあるべきか、省一丸となって「選択と集中」の議論を進め、令和の時代にふさわしい環境省を再構築しよう。

「選択と集中」本部は「環境省のあるべき姿」、「予算の選択と集中」、そして、「働き方改革」の3つの柱で進める。

まず、「あるべき姿」。水俣、福島のように一度失われた環境や健康、地域社会の回復がいかに困難であるか、環境省は骨身にしみている。その教訓は気候変動対策についても活かされるべきである。「あの時から行動していればよかった」ということを二度と繰り返さぬよう、環境省はあらゆる努力を惜しまない。このような水俣や福島という原点を忘れずに、自らのアイデンティティとして、「社会変革」を進めていくための議論をしてほしい。

 

 

次に、「予算の選択と集中」。年末の麻生財務大臣との予算折衝では、環境省がやるべきことかどうか、メリハリをつけ、環境省としては初めてとなる「廃止の要望」を行った。この想いは、人口減少社会においては、やってきたことをただ続けていくのではなく、たたむべき業務から撤退することにより、常に必要なことに必要な人と資源が配分されることが重要という私の思いがある。人口減少社会においては、日本全体のあらゆるところで「未来のための撤退戦」を考えることが求められており、それに環境省はいち早くとりかかる。そういう観点で、絶え間ない業務の見直しこそが今後行政で当たり前となっていくべき。

 

 

最後に、「働き方改革」については、これまで何度も職員とランチミーティングをしてきた中で、自分が大臣になるずっと前から、若手の有志が業務時間外にボランティアでWLB(ワークライフバランス)の議論を進めてきてくれたと聞いた。少なくとも今まで取り組んで来た人が、こうあってほしいと提案してくれていることを、1つでも多く実現することが、最低限やるべきことだと思う。

加えて言えば、現在は、人と人との分業だけでなく、人とテクノロジーの分業の時代。限られた資源を最大限使うためには、職員の皆さんが自らやらなくても良いことは、テクノロジー、AI、IoT、RPAの活用も含めて働き方の議論をしてほしい。

 

環境省は、一需要家として2030年までにRE100の達成を目指し、また5号館でのレジ袋も廃止したが、まさに「隗より始めよ」であり、環境省自身がまず実践していこう。働き方も同じである。環境省が所管する国立公園や新宿御苑でのサテライトワークや、リモートワークの推進も含めて、自らの施策とかみあわないといけない。国民の間でワーケーションを広めたいなら、温泉法を所管している環境省の職員が、温泉地でワーケーションができるよう、支障があれば取り除く。自分たちの働き方を今後の新しい行政のあり方として考えていこう。自らも実践することが、環境省にとっても強みになる。

 

以上、これら3つの柱で「選択と集中」の実現に向けた議論を進めてほしい。

 

 

原子力防災について、まずは、年末年始の緊急時に備え、一部の職員は原子力規制庁と共に原子力規制庁ERCで控えていただき、本当ににありがとう。原子力防災担当大臣の職責は、国家の存亡に関わるという認識は、就任直後に訓示で述べた通り。緊張感を常に持ち続けなければならない原子力防災には「終わり」や「完璧」はない。本年も引き続き、「緊急時対応」の策定及び不断の見直しに向けて、関係自治体と一層緊密に連携し、原子力防災体制の充実・強化に、一丸となって取り組んでいこう。

 

 

最後に改めて、全ての職員の皆さん、水俣、福島、京都、パリ、この大切な地に込められたメッセージを忘れずに、今年、「本物の仕事」をする1年にしましょう。今年もよろしくお願いします。