「働き方改革」
4月1日から「働き方改革関連法」が順次施行となります。国民の働き方が、時代に合わせて変化していくことは大切です。健康を害するほど長時間勤務をすることは、誰にとっても幸せなことではありませんから。一方で、杓子定規のルールばかりに縛られるのは、かえって柔軟な働き方の妨げにならないかという懸念もあります。
人生100年時代は、これまで以上に長く働く時代になります。だからこそ、すべての人にとって働くことが楽しいと思える社会にしたい。一人一人の状況に合わせて、働き方を選択できるような環境や制度を、政治はつくっていきます。
(参照 :レールからの解放)
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また、厚労部会長の立場としては医療界の働き方について考えています。「働き方改革関連法」の医師への適用は5年後ですが、まさに今、医師の働き方改革を実現するためのプロジェクトチームに参加し議論を重ねています。
その中で、私が特に注目しているのは、「タスクシフティング」です。これまでの業務を新たに移管したり、役割を分担し直すことで、仕事の最適配分を目指す考え方です。
例えば、インフルエンザの予防接種。イギリスやアメリカでは薬局で薬剤師さんが実施可能です。もし街の薬局でインフルエンザの検査が受けられたり、予防摂取が受けられたら、患者としてもすごく便利になると思います。病院の混雑が減れば、病気で行く患者さんにとっても良い環境になります。そして、お医者さんや看護師さんの業務も減らせます。
医師、看護師、薬剤師、介護士、医療事務に関わる人など、それぞれの役割の垣根を見直すことで、医師の残業時間を削減するだけでなく、それぞれの立場の専門性がより発揮される未来をつくっていきたいです。
「タスクシフティング」などの医師の働き方改革については、春から本格的に検討を開始します。医師や医療に関する仕事をされている人たちだけでなく、皆さんの生活にも大きく関係することですので、ぜひ関心を持ってもらいたいと思います。
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最後に一つ紹介したいと思います。先週「働き方改革」のカンファレンスに登壇した際に引用させていただいた、阪急電鉄や宝塚歌劇団の創始者である小林一三さんの挨拶です。働くことがいかに前向きで尊いものか、その本質が語られています。
“久しぶりに諸君に会うことが出来て、まことに喜ばしい限りです。私はね、これからの日本というものをいろいろ考えておるわけです。専門家の話も聞き、研究もし、この国は素晴らしい国になるという結論を持っています。
ただ!ただそうなるにはひとつ条件があるのです。それはね、皆さんが全員働くことです。働くというのはね、働くというのは本来、とても楽しいことなのです。夢を描いてね、知恵を絞る、努力をする、その果てに笑ってくれる人がいる。そしてその対価として報酬がついてくる。
これがねえ、楽しい。いやもう、実に楽しいことなんですよ。自分の人生がここにあると感じることが出来る。
努力はね、絶対に報われなきゃなりません。報われると嬉しいでしょ。立場が変わったら今度は報いようとするでしょ。そういう循環を持つ社会は、頼もしいことになると思うんです。皆さんは知らないでしょうね、働いても働いても報われない、そんな時代が長く続いてしまいましたからね。
ですが、皆さんはとにもかくにも生き抜いてここにいる。生き抜いて今ここにいることが出来る。ここまで、今日まで来られたのだから、きっと遠くない未来、この国は頼りがいのある国になります。
この国で働くことが誇りであり、徳であり、物心両面に報われることが最も多い国になると思います。皆さんなら必ず出来る、そう期待しています。どうも有難う、これからもしっかりやって下さい。”
(小林一三氏、昭和31年東宝の忘年会での挨拶より)
このカンファレンスで私は、民間企業や医師だけではなく、むしろ永田町(=政治家)と霞ヶ関(=官僚)こそ、働き方改革が必要だと話しました。そのためには「国会改革」が欠かせません。新しい時代に向けて、一歩でも進むように頑張っていきます!
「なぜ、国会改革が必要か」
https://ameblo.jp/koizumi-shinjiro/entry-12438273998.html
2019.03.29