活動報告

「ナッジ」とは。

みなさん、「ナッジ」という言葉をご存知ですか? 先日、自民党厚生労働部会の「厚生労働行政の効率化に関する国民起点プロジェクトチーム」の第2回会合を開催し、有識者からナッジに関するの説明がありました。

ナッジ(nudge)とは、行動経済学の分野で提唱されている手法で、人間の心理傾向に配慮して、より良い行動・選択を促すことを目的としています。そもそも <nudge> とは、そっと後押しをする、肘でつつく、という意味の英語。無理に押しつけるのではなく、ちょっとした「きっかけ」を与えることで、その人の自発的な行動を促していくのです。

たとえばイギリスの歳入関税局では、納税通知書の中に「同じ地域の住民たちの納税率」を併記することで、納税率が最大では20%増えるなど、お金をかけずに、大きな成果をあげています。民間でも、適切なタイミングで案内を送付することによってがんの検診率が上げるなど、イギリスでは「ナッジ」が様々な場面で利用されています。

私たちの国民起点プロジェクトチームでは、個々人の年金情報をお知らせする「ねんきん定期便」の記載方法の見直し作業を進めていて、その中にはナッジの考え方も導入しようと検討しています。たとえば、年金の受給時期を変えることで、年金の受取金額がどう変化するかなど、選択肢を提示し、個々の人にとってより良い選択をしてもらおうという案などが出ています。

「人生100年時代」では、学びも仕事も余暇も、自分のタイミングで選べるようにしていく時代。いま手元にある選択肢を国民に知ってもらい、行動の変化を生み出していくことは、重要なことだと考えています。次回の国民起点プロジェクトチームでは、「ねんきん定期便」の具体的な変更点を紹介したいと思います。

ご興味あれば、会議資料(「ナッジ」について)もご覧ください。
http://www.shinjiro.info/Nudge.pdf