活動報告

先週金曜日(4/23)改正自然公園法が成立しました

先週金曜日(4/23)改正自然公園法が成立しました。今国会に環境省が提出している4本のうち、まずは1本目が無事に成立して良かったです。

国立公園や国定公園は、国内外からの観光客に人気が高く、私たち国民、地域の大切な財産、資産です。一方で、コロナによって、観光客が激減し、公園を取り巻く環境は大きく変化しました。

今回の法改正は、この大きな社会構造の変化を一つの転換点ととらえ、これまでの国立公園等の保護一辺倒から、保護と利用の好循環を実現し、地域の活性化に寄与することを目的としています。
ポイントは三点です。

第一に、ソフト面の支援です。国立公園等での地域の魅力を活かした自然の体験(カヤック、トレッキングなど)を促進するために、「自然体験活動促進計画制度」を創設すること。 環境大臣や知事が自然体験活動促進計画を認定した場合には、特例により手続きが簡素化されます。地域の関係者が一体となり、魅力的な自然体験のアクティビティを開発し、長期滞在につながるような国立公園等の楽しみ方が生まれることを期待しています。

第二に、ハード面の支援です。国立公園等の魅力的な滞在環境を整備するため、「利用拠点整備改善計画制度」を創設すること。 環境大臣や知事が利用拠点整備改善計画制度を認定した場合には、特例により手続きが簡素化され、国立公園等の景観に影響を与えるような廃屋の撤去や、景観デザインの統一など、自然と調和し魅力的な街並みづくりがしやすくなります。

最後に、ヒグマなど野生動物への餌付けやカメラマンの過度な接近などへの罰則強化です(国立公園等での違法伐採などの禁止行為に対する罰則の引き上げも)。このことで自然環境や野生動物の保護と公園の適正利用を一層強化します。

自然公園法は、前回の改正から10年が経過しました。この間に地域の過疎なども進む一方で、環境省では2016年から「国立公園満喫プロジェクト」を開始し、国内外から多くの観光客の方に来てもらうことに成功しました。

昨年からのコロナ禍、自然や健康への関心の高まりなど、自然公園制度は大きな転換点を迎えています。今回の改正によって、「国立公園満喫プロジェクト」で得た約4年間の成果を、全ての国立公園に展開し、地域とともに、保護と利用の好循環を実現していきます。

さらに、2050年までのカーボンニュートラル宣言により、国立公園をカーボンニュートラルの象徴的な場とするような取組みを「ゼロカーボンパーク」としてスタートし、先月には第一号として、長野県松本市の中部山岳国立公園(乗鞍高原)を登録しました。

残念ながら日本の国立公園はトリップアドバイザーで世界トップ25に入っていませんが、私はまだまだ魅力を高められると感じています。そのために必要な新たな取り組みとして環境省と林野庁で連携を強化していきます(近日中に詳細をお知らせ予定)。素晴らしい自然を守りながら、日本の魅力溢れる公園を地域の方々とともに作っていけるよう、今後も全力を尽くしてまいります。

法案成立にご協力いただいた全ての方に感謝です。ありがとうございました!

今回の法改正に関連しインタビューを受けました。
トラベルウォッチ
「小泉進次郎環境大臣に、国立公園活性化の取り組みについて聞く 「世界の国立公園ランキングトップ25に日本はゼロ。これを変えたい」