活動報告

東日本大震災から10年

震災から10年。
改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りします。10年間復興に取り組み続けてこられた被災地の皆さん、本当にお疲れ様でした。
私もこの10年、様々な形で東北、福島の復興に取り組んできましたが、まさか10年の節目に復興のための最重要課題(除染、中間貯蔵施設、県外最終処分)を担当する環境大臣として迎えるとは…福島とは特別なご縁を感じざるを得ません(今、福島県浪江町から来た保護犬アリスと暮らしていることも縁ですね)。
同時に、世界中の国々・人々からのこれまでのご支援に改めて感謝申し上げます。アメリカのトモダチ作戦や台湾の皆さんからの義捐金など、海外からの献身的で心温まるご支援があったからこそ復興が前に進んできたことも忘れることはできません。
一方で、まだまだ多くの課題があります。

今朝は福島県大熊町の吉田町長、吉岡議長とオンラインで面会をしました。
お二人からは、最近の課題や脱炭素町づくりの話しなど、短時間ですが、さまざまなお話しを伺う事が出来ました。
福島の方と話した際に必ず上がる課題の一つは風評被害です。今朝面会をした大熊町であれば、苺やお米、美味しい日本酒も復興の歩みの中で生まれました。でも残念ながら、今でも一部の国や地域では福島県産の農水産物への規制があり輸出が出来ません。
最近、中国が台湾のパイナップルを禁輸したというニュースがありましたが、非科学的な理由でそのようなことが行われることに対して中国への批判と、台湾産のパイナップルを買って応援する動きが広がっているという報道に接し「東北や福島県産の農産物も非科学的な理由で禁輸されているのに…」と思わずにはいられませんでした。
台湾のパイナップルを応援しつつも、福島県や東北の農水産物に対する不合理な扱いも解除されるよう、これからも国際社会に訴えていくことで、福島の風評被害の払拭に努めていきたいと、強く思います。
お昼には福島放送の取材を受け、2011年以降、自民党のTEAM11(チームイレブン)として毎月11日に現地を支援してきたこと。昨年からは環境大臣として福島の環境再生に向き合っていること。そして、子どもの頃は家族で福島に旅行していたことなど、政治家としても、一個人としても、福島が大きく特別な存在であることを改めて感じました。
環境省、内閣府の原子力防災担当の職員向けには、昨日収録した3.11の訓示動画で環境再生への想いを共有しました。

そして14時46分。政府主催の追悼式に出席し、天皇皇后両陛下御臨席の下、被災地代表、御遺族代表の方々とともに黙祷を捧げました。ご遺族代表のお言葉には心が震え、涙が溢れました。
週末には、環境省が主催して福島のJヴィレッジでシンポジウムを開催します。当初は私も現地に行くはずでしたが、緊急事態宣言が解除されなかった為、東京からオンラインで参加します。環境省のスタッフも急遽半分は福島で、半分は東京で運営することになりました。
また日曜日には、福島県主催のシンポジウムに参加します。
土日共にオンラインで視聴可能ですので、多くの方にみて頂けたら嬉しいです。

最後に、環境省では10年の節目として「福島 環境再生 100人の記憶」を作りました。私もこの本に巻頭言を寄せています。素晴らしい写真と共に一人一人の思いが詰まっていて、読みながらこの10年間の多くの出会いや思い出が蘇ってきて胸がいっぱいになりました。

この本の中には、復興庁で福島の復興に長年携わってこられた岡本全勝さんの言葉があります。
「福島を支援します、というのは言ってはいけない。『支援ではなく、責任を果たすでしょ』。津波被災地での復興は支援でも、原発被災地での復興は責務です。これは、忘れてはならない基本です」。
このことを心に刻み、これからもしっかりと取り組んでまいります。

本の内容は環境省のWebサイトでご覧いただけます。また今月末には書店に並ぶ予定ですので、是非読んでみてください。

シンポジウム:
3/13(土)10:00-16:30
いっしょに考える「福島、その先の環境へ。」

3/14(日)13:00-16:00
ふくしま復興を考える 県民シンポジウム2021