活動報告

北海道の国立公園を視察しました

昨日金曜日の閣議と記者会見を終えてから北海道の阿寒摩周国立公園、釧路湿原国立公園の視察に行ってきました。国立公園を所管しているのは環境省です(意外と知られていません)。

環境省が進めている「国立公園満喫プロジェクト」の公園の一つ、阿寒摩周国立公園の更なる魅力向上と、一方で魅力を阻害する課題解決に繋げることが今回の視察の目的でした。
国立公園の魅力というと、まず自然の雄大さと考える方が多いと思います。確かに阿寒摩周国立公園も、その地形のユニークさや、土地から生まれる特有の自然や動植物、絶景などは勿論ですが、阿寒摩周国立公園は、自然と共生するアイヌの文化が根底にあり、その土地の文化と歴史に対する理解を国内外の方々に広めるという国立公園の最も大切な使命を象徴しています。私もアイヌの関係者の皆さんとイベントに参加させて頂き、アイヌの皆さんが大切にしてこられた自然共生の精神などに触れる貴重な機会を頂きました。
もう一つ改めて感じたことは、その土地の魅力は地元の人だけでは分からないし活かしきれないという事。今回、川湯温泉というところに行きましたが、川湯温泉は、その名の通りに温泉が川のように流れているという、珍しいところです。町の人にとっては当たり前でも私にとっては見たことのない風景で、もっと「川湯」という存在自体を活かす方法があるのではないか?と、大きな可能性を感じました。硫黄山にも行きましたが、その迫力と魅力は想像以上で、唯一無二のものでした。本当に行って良かったです。

一方で課題と感じたのは、景観です。特に古くからの温泉地などでは、廃墟や廃屋が、国立公園の魅力を大きく損なっていると言われています。環境省では国立公園の魅力を高めるために、廃墟、廃屋の撤去に関する費用を補助し、跡地利用を進めています。川湯温泉では、既にその補助により一部で廃墟、廃屋の撤去も始まり、今日はその現場も視察しました。
その他、阿寒温泉では、地上の電線や電柱が景観を損なわせ、歩道の大きな段差やデコボコはベビーカーや車椅子の方にとっては、歩きづらい環境など、様々な改善点を肌で感じることができました。

今後、改善可能なものから速やかに対応し、国立公園の魅力を最大限伝えていきます。最近ではワーケーションに対応する国立公園も増えて来ました。阿寒摩周国立公園内のホテルやキャンプ場でも環境省の補助事業でワーケーションが可能となっています。遊び、学び、働くなど、様々なシーンで国立公園が活用され、国立公園の魅力向上が地域経済活性化に繋がるよう、自治体や地域の民間企業と環境省本省・地方事務所の縦割りを打破し、一体となって進めていきます。
日本の地域にはまだまだ眠っている宝物のような自然資源がいっぱいあることを再認識した有意義な視察になりました。視察にご協力頂いた全ての関係者の皆さん、ありがとうございました。