活動報告

石綿(アスベスト)飛散防止のための法規制の一部を改正しました

先週、「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」が、可決・成立しました。法案を提出した環境省の大臣として、成立までにお世話になった全ての関係者に感謝しています。

この法律は、石綿(アスベスト)の飛散防止のための法規制を定めています。
石綿は建築物などの建材に使用されるものですが、人が石綿を吸い込んでしまうと、数十年の潜伏期間を経て、肺がんや中皮腫(「中皮」細胞から発生する「がん」)など、重い健康被害を起こす恐れがあることが知られています。
そのため、建物の解体工事による石綿の飛散を防止することは極めて重要で、今後令和10年(2028)年ごろをピークに石綿を含む建材を使った建築物の解体工事が年々増加していくことが見込まれていることから、今回の法律改正が行われました。

これまで規制の対象となっていた石綿建材は、吹き付け材に使われたもの(レベル1)と、保湿材・耐火被覆材・断熱材に使われていたもの(レベル2)で、国内で約100万トンの使用量と見込んでいましたが、今回の改正では、国内で約700万トンの使用量と見込まれる石綿含有成形板(レベル3)を含む、全ての石綿含有建材に規制対象を拡大しました。また、解体工事前の調査結果の都道府県への報告など、一連の規制強化を行いました。

この新たな規制対象のレベル3建材は戸建て住宅に多く使用されていて、石綿を建材として使用した約90%がレベル3建材だと推定されています。そのため、新たに規制対象となる石綿除去作業の件数は、現在の5〜20倍になるとも予想され、これまでに比べると石綿拡散防止のための規制は大きく進展すると考えています。

この改正は、環境に由来する健康被害を未然に防止するという、環境省の基本的で最も重要な役割と直結しています。今後は改正法の施行を着実に行い、技術的な課題の検討に引き続き取り組むことで、解体等の工事の際に、石綿が飛散しないよう、飛散防止の徹底に努めていきます。

皆さんも自宅をリフォーム・解体される際には、事前の調査をして結果的に石綿が見つかった場合には飛散防止対策が必要になります。国民の健康を守るために大切な対応ですので、是非ご協力をお願いします。

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