活動報告

COP25 CHILE MADRID 2019 終了

COP25は1日半予定を延長して終了し、先ほど帰国しました。

 

私にとっても想像を超えた会議でした。参加国197カ国、のべ参加人数2万6,000人(UNFCCC参加リストより)の巨大な会議で、終盤は予定が全く見えず、案内された会議日程も次々と状況によって変わり、最終盤には明け方まで会議が続きました。

 

交渉については、最後は時間切れとなり、日本チームが当初から期待する結果には至りませんでしたが、間違いなく次に繋がる形で終わらせることができた、私たちのチームはその役割に大きな貢献が出来たと確信しています。

 

COP25の準備や交渉を献身的に支えてくれた環境省をはじめとする各省の交渉チームには心から感謝しています。そして、チームのことを誇りに思います。今は、少しでも疲れを癒したり、睡眠不足を解消してもらいたい気持ちでいっぱいです。みんな、本当にありがとう。

以下はCOP25最後の記者会見の内容です。


まず開催国のスペインに感謝申し上げたいと思います。チリで開催が出来なくなって、ここから1ヶ月間で、ここまで素晴らしいホスピタリティと会場をご用意いただいて、私もスタッフ一同、スペインのロジ力を素晴らしいと思っています。

今回のCOPには、二つの大きな目標を持って臨みました。第一に国際社会には必ずしも評価されていない、日本の優れた気候変動の取組みや行動をしっかりとアピールすること。これについては、政府代表ステートメント、内外記者会見や様々なイベントを通じて実現出来たと思います。

もう一つは、日本が最も重要視している市場メカニズムの実施ルールに関し、建設的かつ積極的に交渉を主導することです。まず、日本のチーム、そして相手国の交渉チームの仕事ぶりを讃えたいと思います。交渉の終盤には、私自身も主要国に働きかけるために、バイ会談を精力的に行って、多くの国から支持を得て、交渉の妥結に導く直前までいくことが出来ました。

金曜日16時以降、
・議長国のチリのシュミット大臣と5回
・9つの国、EU及び1つの交渉グループ大臣や代表と、のべ17回
・グテーレス国連事務総長及びエスピノザ条約事務局長と各2回

と計26回のバイ会談を行い、(参考:COP25到着から金曜日夕方までのバイ会談は10回)

特に今回の交渉のカギを握っていた、ブラジルのサレス大臣とは、二人だけで腹を割って、何度も協議を繰り返しました。

その結果、COP24以降より、終始強固な姿勢を崩さなかったブラジルの譲歩を引き出し、日本の主張を含めて、各国が許容可能な実施指針の案を作ることが出来ました。

日本の貢献がなければ、会合の最終盤に各国がここまでねばりと合意に向けた挑戦をするのとはなかったと断言出来ますし、実際多くの国から日本への謝意が示されました。豊富な知見と緻密なデータで議論を支えてくれた日本代表団のスタッフを心から誇りに思います。

 

引き続き議論を続けていくことになりますが、各国の大臣と膝詰めで議論する中で、お互いの立場や主張の理解が進んだことを実感しています。今回の議論をベースに、来年のCOP26では必ず合意に至ることが出来ると確信しています。